音楽生成AI「ElevenMusic」の主な機能とプラン別制限を詳しく解説

Adbrand Team Adbrand Team

商用動画や広告に使えるBGMを自社でゼロから制作しようとすると、作曲家への依頼や著作権処理に時間もコストもかかります。Eleven Labsが2025年8月に公開した「Eleven Music」は、テキストで要望を入力するだけでスタジオ品質の楽曲を数分で生成でき、権利もクリア済みのままダウンロード可能です。自然言語でジャンル・長さ・歌詞を指定できる柔軟性に加え、ビジネス利用向けのライセンス体系が用意されているため、制作フローの短縮とコスト最適化が見込めます。

本記事では、Eleven Musicの仕組み・主な特徴・料金・活用例・導入時の留意点をまとめて解説します。

目次

Eleven Musicとは

Eleven Music overview slide

引用:https://elevenlabs.io/ja/music

Eleven Musicは、Eleven Labsが提供するテキスト to ミュージックモデル です。素材となるスタジオ録音データを学習した独自AIが、入力した文章の意図を解析し、最大5分の楽曲を44.1 kHzで生成します。ボーカル入り/インストゥルメンタルの切り替えや、曲構成のセクション単位編集に対応し、コンテンツ制作や広告BGMなど幅広いシーンで利用可能です。


ElevenMusicの主な機能と強み

Eleven Musicは複数の機能が連携して高品質な曲作りを支援します。

高音質生成

生成音源は44.1 kHzのMP3で出力され、商用配信にも耐えるクリアなミックスが得られます。

  • CD相当の周波数帯域でマスター不要

  • モデル内部でコード進行・楽器バランスを自動最適化

  • セクションごとに音量・エフェクトを補正

この品質により、追加のマスタリング工程を省けるケースが多くあります。

Vocal対応

歌詞生成と歌唱合成をワンストップで行い、男女デュエットやコーラスにも対応します。

  • プロンプトで歌詞のテーマや感情を指定可能

  • 歌声のトーン(ささやき・力強いなど)を細かく指示

  • ボーカルなしのBGMも「instrumental」と入力するだけ

こうした一貫生成により、別途ボーカロイドや声優を手配する手間が削減されます。

多言語歌詞

英語・日本語・スペイン語など多数の言語で歌詞を出力できます。

  • グローバル展開する動画で各地域向けバージョンを簡単作成

  • 文脈を自動翻訳し、韻律に合わせて最適化

利用者は特別な翻訳工程を挟まずに多言語楽曲を制作できます。

セクション編集

曲を「イントロ/Aメロ/サビ」のように分割し、各セクションの長さ・歌詞・楽器を個別に生成・再生成できます。

  • 途中の盛り上がりを再調整して動画尺に合わせる

  • コード進行を維持したままサビだけ歌詞を差し替え

  • 部分的な再生成でも音質と音量を自動で整合

これにより、従来のDAW編集に近い細やかな調整がブラウザ上で完結します。

API統合と商用ライセンス

公開予定のAPI /music/composeを利用すると、自社アプリにリアルタイム作曲を組み込めます。また、Starterプラン以上では広範な商用利用が許可されています。

  • WebサービスからオンデマンドBGMを呼び出し

  • SDK(TypeScript/Python)で実装工数を短縮

  • 権利処理済みのため追加ロイヤルティ不要

APIの正式リリースは近日予定で、現時点ではウェブUIから全機能を利用できます。

ボーカル入りで多言語にも対応って、これ一つで海外向け動画まで作れちゃうんだね!


利用プランごとの制限と商用ライセンスの考え方

Eleven Musicは汎用クレジット制を採用し、月額プランごとに生成・ダウンロード上限と商用可否が異なります。

プラン月額(USD)月間生成上限商用利用主な制限
Free011分×ダウンロード不可
Starter530分ストリーミング配信・TV/ゲーム用途は不可
Creator22250分Prohibited Commercial Contextsに該当する用途は不可
Pro99500分同上

クレジット超過時は従量課金で追加購入できます。最新の情報については こちら からご確認ください。


ブラウザ上での操作方法と編集ステップの流れ

Eleven Labsのサイトにログインし、ダッシュボードで「Music」に切り替えます。

Eleven Musicのダッシュボード

プロンプト欄へ楽曲のイメージ(例:「爽やかなシティポップ、118 BPM、日本語女性ボーカル」)を入力すると、数分でプレビューが生成されます。

Eleven Musicのプロンプト入力例

続いて「Edit Sections」を開くと各パートがタイムライン上に表示されるため、サビの長さを伸ばしたり歌詞を修正したりしながら再生成を実行します。仕上がった曲は「Download」ボタンからMP3で保存可能です。

セクションごとのタイムライン編集画面


動画や広告制作でのElevenMusic活用シーン

Eleven Musicは既に映像・広告・ゲーム開発など多様なプロジェクトで試験導入が進んでいます。

  • YouTubeショート動画 製品紹介クリップに15秒のオリジナルBGMを即座に挿入

  • SNS広告 ブランドジングルを複数バリエーション生成しA/Bテスト

  • 社内研修動画 ナレーション用テキスト音声とBGMを同一プラットフォームで一括制作

  • インディーゲーム ステージごとの雰囲気に合わせたループBGMを自動生成

公式ブログ では、「Echoes of Midnight」など社内制作のデモ曲が2025年8月に公開され、表現力の高さが話題になりました。

これらの事例はテンプレート的なストック音源の置き換えだけでなく、プロトタイプ段階のモック曲にも活用できます。


契約前に確認すべき利用条件と対応方針

ElevenLabsを導入・活用する際には、以下の点を事前に確認しておくことが重要です。

  • 契約プランによってはTV番組やゲーム配信への利用が制限されるため、 用途に合致するプランかを事前に確認 する。

  • API統合を想定する場合、 待機リスト登録やSDKの互換性を含めた開発スケジュールを調整 する。

  • プロンプトに実在アーティスト名や歌詞引用を含めると生成がブロックされるため、 社内ガイドラインを定め誤入力を防止 する。

これらのチェックポイントを踏まえることで、導入後のトラブルを未然に防ぐことができます。


商用利用で気をつけたい制限とリスクの整理

利用にあたっては、下記のような注意点や潜在的リスクにも十分留意する必要があります。

  • 無償プランで生成した曲は商用不可 かつダウンロード制限があるため、社外公開を予定する場合は必ず有料プランへ移行する。

  • ストリーミング配信やテレビCMなど 「Prohibited Commercial Contexts」に該当する用途は、Enterprise契約を含む個別交渉が必要

  • 著作権侵害を回避するガードレールはあるものの、最終的な責任は利用者側にあるため、 公開前に社内チェック を行う。

これらのリスクを把握し、適切に対応することで、安全かつ効果的な運用が可能になります。


まとめ

Eleven Musicは、テキスト入力だけで高音質の楽曲とボーカルを同時生成できる革新的なサービスです。多言語対応・セクション編集・API統合といった機能が揃い、Starterプラン以上なら広い範囲で商用利用が可能となります。映像制作やマーケティング施策のBGM調達を効率化したい企画担当者にとって、有力な選択肢となるでしょう。今後APIが公開されれば、音楽生成を組み込んだ新サービスも比較的短期間で立ち上げられます。導入を検討する際は、利用シーンが各プランのライセンスでカバーされているかを確認し、プロンプトの設計ルールを社内で共有しておくと安心です。