ElevenLabsのAI音声生成サービス「ElevenLabs Voice AI」とは?特徴・料金・活用ガイド

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映像・音声コンテンツを短期間で多言語展開したい、電話対応を自動化したい。 こうしたニーズに応える手段として、AI音声合成の導入が急速に進んでいます。中でも ElevenLabs Voice AI は、高音質・低遅延・多機能を一つのプラットフォームで提供し、テキストからリアルな音声を瞬時に生成できます。無料プランから試せる柔軟な料金体系と、API・Webスタジオ双方のツール群により、社内に音声エキスパートがいなくても導入しやすいのが特長です。

本記事では、ElevenLabs Voice AI の仕組みと主な機能、料金、導入プロセス、実際の活用事例、リスク対策までを総合的に解説します。

目次

ElevenLabs Voice AIとは? 仕組みと既存TTSとの違い

ElevenLabs Overview 引用: https://elevenlabs.io/ja

ElevenLabs は「すべての情報をあらゆる言語・声で届ける」ことを掲げており、人間と聞き分けが難しい自然な音声を独自開発の深層学習モデルで生成している会社です

従来型TTS(Text-to-Speech)が単調な音調になりがちだったのに対し、ElevenLabs は文脈を理解して抑揚・間合い・感情を付与できる点が大きな差別化要因です。32 言語に対応する多言語モデルや約75 ミリ秒で応答する低遅延モデルを備え、クリエイティブ制作からリアルタイム対話まで幅広いユースケースを一つのAPIでカバーします。


主な機能と強み

ElevenLabs の代表的な機能は次のとおりです。

高品質・自然な音声合成

ElevenLabs の TTS は、人間の抑揚や間合いを AI が理解して再現できる点が大きな特徴です。

  • 高解像度オーディオ MP3(22.05 kHz〜44.1 kHz/32 kbps〜192 kbps)と PCM(16 kHz〜44.1 kHz/16‑bit)に対応し、Pro 以上のプランでは 192 kbps まで選択可能です。

  • 細かな音声コントロール Stability・Similarity・Style などのスライダーで感情の振れ幅や原音の忠実度を調整できます。

  • テキストだけで感情付与 句読点や「―と叫んだ」などの文脈タグを入れるだけで喜怒哀楽やささやき声を付加できます。

これらの設定を組み合わせることで、朗読から対話ボイスまで用途ごとに最適なトーンを作り込めます。

多言語サポート

最新モデル「Multilingual v2」は、言語混在テキストも自動識別して読み上げます。

  • 対応言語は 32 日本語・英語を含む主要言語に加え、ハンガリー語・ノルウェー語・ベトナム語なども新たに追加されました。 Supported Languages

    引用: https://elevenlabs.io/docs/models#multilingual-v2

  • 同一声で多言語 一度クローンした声をそのまま他言語にも適用でき、キャラクターやナレーターの世界展開が容易です。

自社コンテンツを海外市場へ展開する際、翻訳後の音声生成までワンストップで完結できます。

低遅延モデル「Flash v2.5」

リアルタイム対話やゲーム内ボイスに最適化されたモデルです。

  • 平均応答 75 ms 人と話すような即時レスポンスが得られます。

  • ストリーミング API HTTP SSE や WebSocket に対応し、逐次テキストを送りながら音声を生成できます。

  • 32 言語対応で低コスト 多言語を維持したまま v2 系列より低料金で提供されます。

チャットボットや音声 IVR など、待ち時間が許されないサービスに組み込みやすい仕様です。

音声クローン(インスタント / プロフェッショナル)

社内のナレーターやキャラクターの声をそのままデジタル化できます。

  • Instant 30 秒程度のサンプルで数分以内にクローン生成。試作や A/B テストに最適です。

  • Professional 30 分以上の高品質録音を用い、2〜4 時間でスタジオ級の精度を実現。長編作品でも破綻しにくいモデルが得られます。

  • Voice CAPTCHA 認証 クローン作成前に本人確認を行い、無断複製を防止します。

声のライセンスを管理しつつ、社外ナレーターへの依存を減らせます。

ボイスデザイン & 音声変換

テキスト指示でまったく新しい声を創造したり、録音済み音声を別の声色に変換できます。

  • Voice Design 年齢・性別・アクセントなどを文章で指定すると、条件に合う人工音声を自動生成します。

  • Voice Changer API 既存音声のタイミングを維持したまま別の声質へ置換でき、ストリーミングにも対応します。

  • コミュニティ声ライブラリ 5,000 以上の公開ボイスがあり、利用に応じて声の提供者へ報酬が支払われる仕組みです。

広告やゲームのキャラクター制作で、短時間に多彩な声をラインアップできます。

周辺オーディオ AI ツール

TTS 以外にも制作フローを補完する機能が統合されています。

  • Speech to Text「Scribe v1」 99 言語で話者分離・タイムスタンプ付き書き起こしに対応。テキスト精度の検証や字幕生成に便利です。

  • Voice Isolator 録音のバックグラウンドノイズをリアルタイム除去し、スタジオ品質へ自動補正します。

これらを一つのダッシュボードで統合管理できるため、複数ツールを併用する手間を削減できます。


料金プランと提供ツール

ElevenLabs は無料プランからプロフェッショナル向けまで段階的なプランを用意し、月次クレジット制で利用量を柔軟に調整できます。

プラン月額(年払い換算)月次クレジット商用ライセンス代表機能
Free$010,000×(出典明示要)TTS / STT / API テスト
Starter$530,000インスタントクローン、スタジオ20件
Creator$22100,000プロフェッショナルクローン、追加クレジット購入
Pro$99500,000無圧縮 44.1 kHz 出力、優先サポート

上位に Scale($330/月, 3ユーザー)Business($1,320/月, 5ユーザー)Enterprise(個別見積もり) もあり、大規模利用やSLAが必要な場合に選択できます。最新情報は こちら からご確認ください。


Webスタジオでの基本的な使い方

ElevenLabs のブラウザ操作は、短文テストに最適な「Playground」と長編制作に特化した「Studio」の二系統に分かれます。

まず Playground で声質や感情パラメータを試し、制作フローが固まったら Studio へ移行すると、テストと量産をムダなく進められます。

比較軸Playground(テスト用)Studio(長編制作用)
主な用途声やモデルをすぐ試す書籍・記事を丸ごと音声化
入力方式画面のテキスト欄に直接入力EPUB / PDF / DOCX / URL をアップロード
編集機能その場で話速・抑揚をスライダー操作章分割・複数話者割当・差分生成・履歴管理
出力生成直後に MP3 を即ダウンロード章別または全文を MP3 / WAV 一括書き出し

Playground

【Text to Speech】

ダッシュボードの「Text to Speech」ページを開き、文章を入力して声を選び 「Generate speech」を押すと、数秒でプレビューが再生されます。スライダーで話速や抑揚を調整し、満足したらダウンロードボタンで MP3 を取得できます。 Text to Speech Playground

【Voice Changer】

ダッシュボードの「Voice Changer」ページを開き、音声データをアップロードして声を選び 「Generate speech」を押すと、数秒でプレビューが再生されます。スライダーで話速や抑揚を調整し、ダウンロードボタンで MP3 を取得できます。 Voice Changer

【Sound Effects】

ダッシュボードの「Sound Effects」ページを開き、入力エリアの効果音の説明文を入力します。 「Generate」を押すと、数秒でプレビューが再生されます。 Sound Effects

【Voice Isolator】

ダッシュボードの「Voice Isolator」ページを開き、音声データをアップロードするか、その場で録音します。「Isolate voice」をクリックすると、数秒でプレビューが再生されます。 Voice Isolator

Studio

Studio を使う場合は「Start from scratch」「Create an audiobook」「Create a podcast」「Import from URL」のいずれかを選択します。

Studio Options EPUB・PDF などの原稿を読み込み、音声を選択し、音声を生成します。右上の Export をクリックすると章別または全体の音声を一括で書き出せます。長編は自動でチャプター分割され、キャラクターごとの声もドラッグ&ドロップで設定可能です。


活用事例(2025 年版)

ElevenLabs の公式ブログには、今年公開された導入例が複数掲載されています。

  • Cisco Webex AI Agent 顧客サポート用 AI エージェントに ElevenLabs の TTS を採用し、自然な対話でエンゲージメントを向上(2025 年 6 月公開)。

  • Allô モバイル向け電話システムが Conversational AI を組み込み、1 日でプロトタイプを構築し通話エンゲージメントを 2 倍に改善(2025 年 5 月公開)。

    両社とも低遅延モデルと多言語対応を活用し、音声品質と顧客体験の両立に成功しています。


導入前に確認したいチェックポイントと注意点

ElevenLabs をビジネス利用する際は、事前にいくつかの実務的な観点で確認を行うことで、トラブルを未然に防ぎ、スムーズな導入が可能になります。ここでは、特に商用利用・技術仕様・リスク管理の観点からチェックすべきポイントを整理します。

  • 契約・ライセンスに関する確認事項 契約プランが、 必要なクレジット数や商用ライセンス条件を満たしているかを確認 します。 無償プランでは商用利用が制限 されているため、社外公開を前提とする場合は有料プランの検討が必要です。

    「Prohibited Use Policy(禁止事項ポリシー)」に目を通し、政治利用や誤情報拡散などの禁止用途に該当しないかを事前に確認しておきましょう。

  • ツールの選定と運用体制 WebスタジオとAPIのどちらを利用するかは、用途に応じて選定 します。API連携を前提とする場合は、SDKの互換性や統合タイミングも含めて開発スケジュールを調整する必要があります。利用チームや関係部署との連携を図り、どのように運用するかの設計をしておくとスムーズです。

  • 技術的な適合性の確認 生成される音声ファイルの形式やビットレートが、 配信予定のメディアやアプリケーションの仕様に適合しているかを確認 します。特に動画や広告で使用する場合、音質や音量バランスの調整も検証しておくとよいでしょう。

  • 多言語対応と品質検証 多言語で利用する場合、 言語ごとの発音やイントネーションの自然さを事前にテスト し、必要に応じてプロンプト調整や翻訳の最適化を行います。翻訳プロンプトにおいては、スラングや文化的なニュアンスに注意しながら社内でレビュー体制を整えておくと安心です。

  • 社内ガバナンスとリスク対策 ElevenLabsではVoice CAPTCHAによる本人確認やクローン音声の制限など、ガードレール機能が備わっていますが、最終的な責任はユーザー側にあります。 社内での利用ポリシーや声の取扱ルール、チェックフローを明文化し、責任所在を明確にしておくこと が推奨されます。


まとめ

ElevenLabs Voice AI は、高品質・多言語・低遅延を兼ね備えた統合オーディオAIプラットフォームです。Webスタジオで手軽に試せるうえ、API で大規模な自動生成にも対応できる柔軟性があり、料金体系も段階的で導入ハードルが低い点が魅力です。2025 年には Cisco や Allô などの実運用例が登場し、顧客対応やモバイル通信分野で効果を上げています。無料プランから開始できるため、まずは自社コンテンツを少量で試作し、音質やワークフローのフィット感を体感してみてはいかがでしょうか。