Hunyuan3Dの違いが分かる3D-Gen-v3.0とWorld Model 1.0/1.1比較

Adbrand Team Adbrand Team

3D素材や没入型ワールドの制作は、撮影・モデリング・リトポ・ルックデブなど工程が分かれ、内製リソースもコストも重くなりがちです。TencentのHunyuan 3D-Gen v3.0Hunyuan World Model 1.0/1.1は、テキストや画像から高精度な3Dアセットや探索可能なワールドを生成できる注目モデルです。本稿では両者の違いと使いどころ、導入方法、料金、活用シナリオ、リスクを整理します。

目次

Hunyuan 3Dの全体像

Hunyuan 3Dは、単体3Dアセット生成に特化した3D-Gen系と、没入型3Dワールド生成に特化したWorld Model系で構成されます。前者は広告・EC向けプロップやゲーム用小物など“部品”に強く、後者はVR会場や建築提案など“空間”の初期設計に向きます。

World Modelはテキスト/画像から360°ワールドを生成する1.0に加え、画像列や動画から幾何+3D Gaussianを再構成する1.1(WorldMirror)が公開され、生成と再構成の両輪が揃いました。


機能比較と強み

観点Hunyuan 3D-Gen v3.0Hunyuan World Model 1.0Hunyuan World Model 1.1
主目的高精細な単体3Dアセット生成テキスト/画像から没入型ワールド生成画像列/動画から幾何・3DGSを再構成
特色1536³ジオメトリ、約3.6Bボクセル、層状生成セマンティック分離 + メッシュ書き出し、編集可能1パスで深度・法線・カメラ・3DGSを推定、COLMAP等に直結
出力メッシュ+テクスチャシーン全体(個別オブジェクト編集可)点群/3DGS/メッシュ互換データ
主なユースケース広告・ECの商品ビジュアル、ゲーム用小物、映像プロップVR/ゲームレベル素案、デジタルツイン、建築・不動産提案実写ロケ/ドローン映像からの高速3D再構成

Hunyuan 3D-Gen v3.0の特長

  • 層状生成×高解像:1536³ジオメトリと3.6Bボクセルで精細な形状・テクスチャを安定生成
  • 人物最適化:顔の輪郭やポーズを自然に保つアルゴリズムで広告/キャラ用途に適合
  • 導入経路:Webの混元3D創作プラットフォームで1日20クレジットまで無料試用、Tencent Cloud APIで商用連携、Studio(招待制)でUV/リギング等を統合

Hunyuan World Model 1.0/1.1の特長

  • セマンティック分離:空/地形/前景を分割し、オブジェクト単位で再配置や編集が可能
  • メッシュエクスポート:Unity/Unrealなど既存CGパイプラインと互換、Draco圧縮もサポート
  • Voyagerモジュール:1枚画像→長距離カメラパス→3D再構築を高速化
  • 1.1(WorldMirror):動画やマルチビュー、任意の姿勢/内部/深度を入力し、COLMAPや3DGSへ渡せるデータを1パスで生成。実写資産のデジタルツイン化やリライト用途に適する

提供形態と料金

形態3D-Gen v3.0World Model 1.0/1.1
Web試用混元3D創作プラットフォームで1日20クレジット無料公式サイトでテキスト/画像入力から生成
API/クラウドTencent Cloud(従量課金。タスクや解像度で単価変動)―(自前ホスティング)
OSSStudio/OSS計画は開示済みだが未公開GitHub / Hugging Faceでコード・重みをApache 2.0系ライセンスで公開
ライセンス制約API利用規約を遵守MAU100万超は個別許諾必須/EU・UK・韓国は対象外/生成物を別モデルの学習に利用不可

使い方の要点

まず「何を得たいか」を決めたうえで、出力に合うモデルを選びます。単体オブジェクトの3Dモデルが欲しい場合は3D-Gen v3.0、空間そのものを作りたい場合はWorld Modelを使います。

3D-Gen v3.0はWebの混元にアクセスし、画面の入力欄にテキスト説明を入れるか、参考画像をアップロードして生成します。生成結果はブラウザで確認でき、必要に応じて標準的な3D形式でエクスポートできます。

混元の生成画面

World ModelはWebのTencent Hunyuan 3Dサイトにアクセスし、入力欄でテキストを記述するか、参考画像をアップロードして生成します。生成結果はブラウザ上で360°見回して確認でき、必要に応じてダウンロードや他ツールへのエクスポートに利用できます。

Tencent Hunyuan 3Dの生成画面


ビジネス活用シナリオ

  • 広告・EC:商品の回転表示・確認用CGを3D-Genで量産、LPやBOPIS体験を向上
  • ゲーム・XR:3D-Genで小物やキャラ、World Modelでステージの叩き台を生成し、エンジン内で磨き込み
  • デジタルツイン:World Model 1.1で実写動画から現場を再構成、シミュレーションや安全教育に活用
  • 建築・不動産:テキストから雰囲気の近い空間を生成→合意形成後にBIMや本制作へ

導入時の運用とガバナンス

実装前に運用設計とライセンス確認をセットで固めると後戻りを防げます。

  • 出力の受け入れ基準:解像度/ポリ数/テクスチャ解像度/法線などを事前定義。
  • 権利と契約:World ModelはOSSでも地域・MAU条件あり、3D-GenはAPI商用契約を想定。
  • ワークフロー:GLB/FBX等の中間形式、DCC/ゲームエンジンへの取り込み手順、命名規則を標準化。
  • 対外表記:必要に応じ “Powered by Tencent Hunyuan” 等の表記方針を決定。

上記は運用で必ず決めるべき内部ルールです。いっぽうで、外部条件(ライセンスや提供形態)は製品側の前提として決まっており、判断を誤ると後戻りが大きくなります。そこで次の表では、見落としがちなリスク項目だけを要点で整理します。

リスク項目重要ポイント
ライセンス制約(World)MAU100万超は個別許諾EU/UK/韓国は対象外
再学習禁止(World)生成物を他モデル学習に使うのは不可
提供形態の変動(3D-Gen)無料枠・Studio招待制・将来のエディション変更に留意

上記の要点と表を社内ガイドに反映すれば、導入判断と運用開始までの手戻りを最小化できます。


まとめ

本稿で扱ったモデルは、3D-Gen v3.0はアセット特化、World Model 1.0はワールド生成特化という補完的な関係にあります。ここにWorld Model 1.1(WorldMirror)が加わり、実写動画/マルチビュー→幾何/3DGSの高速“再構成”が加速しました。3D-Gen v3.0は短時間で“使える3D部品”を量産するのに強く、World Modelは“世界そのもの”を試作→編集→ゲーム/VRへ流し込む基盤として有効です。

導入時は商用条件(API契約/MAU要件・地域制限)と運用標準(出力仕様・データ管理)を先に決めると回しやすくなります。まずは、3D-GenのWeb試用で自社素材を一度3D化し、World ModelはGitHubのサンプルで“ワールドのたたき台”を生成して、現行ワークフローとの接続を具体的に検証してみてください。