GoogleのAI動画生成モデル「Veo 3.1」料金から活用シーンまで網羅

Adbrand Team Adbrand Team

生成AIによる映像制作の進化が加速しています。中でもGoogleが開発したVeo 3.1は、テキストや画像を入力するだけで、映像と音声を同時に生成できる点で注目を集めています。

映像制作の自動化により、広告素材や企画段階の映像を短時間で作ることが可能になり、制作コストの削減にもつながります。

本記事では、Veo 3.1の仕組み、強化された機能、利用方法、料金、活用事例、導入時の注意点までを体系的に解説します。

目次

Veo 3.1の概要と進化点

Veo 3.1は、Google DeepMind が開発するテキストや画像を入力するだけで動画を生成できるAI技術「Veoシリーズ」の最新版です。

従来モデルとの違いは、主に以下の3点です。

  • 映像と音声を同時生成できる
  • カメラワークや構図の理解が向上し、より映画的な映像表現が可能
  • キャラクターの外見や動きの一貫性が高まり、長尺動画の生成が安定

Googleはこの進化を「Video, meet audio」という言葉で紹介しています。

引用:https://gemini.google/jp/overview/video-generation/?hl=ja

音声生成の統合による制作効率の向上

Veo 3.1は、映像に合わせて会話(ダイアログ)・効果音(SFX)・環境音まで同時に合成できます。

  • 会話の指示は引用符で台詞を明示、SFXやAmbientの指定で音の種類とタイミングを制御(例:SFX: thunder cracks in the distance)。
  • API機能として「サウンド生成(音楽・効果音)」をサポート。UI側(Flow)では既存機能(Ingredients / Frames / Extend)にも音声が適用されました。 一部の編集機能はAPIで未提供、またはVeo 2ベースで動作(Add/RemoveはVeo 2利用で音声なし)。用途に応じてUI/APIを使い分けます。

この機能により、BGMや効果音の後付けを前提としない“音のある短編”の素案づくりが可能になります。

実写的な質感と一貫性の向上

画質や動き、テクスチャの再現性が高まり、登場人物やスタイルの一貫性も取りやすくなりました。

  • 出力仕様(Vertex AI・プレビュー時点)
項目値(APIプレビュー)備考
解像度720p / 1080p1080pは拡張生成(Extend)を除く
クリップ長4 / 6 / 8秒参照画像→動画は8秒
フレームレート24fps固定
アスペクト比16:9 / 9:16一部機能で例外あり
プロンプト言語英語現時点
  • 画像→動画の忠実度向上キャラクター一貫性の改善(Ingredientsの活用と合わせて)。
  • Flowでは“実写的な質感(true‑to‑life textures)”をうたっており、見た目の整合性を保ちやすい挙動に。

この強化により、複数ショットの素案でもキャラクターや質感のブレを抑えやすい点が実務で効きます。

映像演出の制御とシーン構成の強化

Veo 3.1はシネマトグラフィの語彙(カメラワーク/構図/レンズ表現など)を理解し、物語の起伏やショット分割も表現しやすくなりました。

  • プロンプト設計の基本式(推奨):[Cinematography] + [Subject] + [Action] + [Context] + [Style & Ambiance]タイムスタンプ指定でマルチショット進行も可能。
  • Ingredients to Video:複数の参照画像で人物・小物・スタイルを固定してショット展開(音声にも対応)。
  • First & Last Frame:開始・終了フレームからシームレスなトランジションを生成(音声付き)。
  • 編集系(Flow):Extend(1分程度までの連結)、Insert/Remove(物体の追加・除去)など。
    ※APIではExtendは未サポート、Add/RemoveはVeo 2を利用。

この結果、“プロンプトして祈る”から“意図的に演出する”へと運用が移行します。


提供形態と料金体系

Veo 3.1 を利用するには、主に次のような形態と料金体系があります。

利用形態

【一般ユーザー向け】

Veo 3.1は、Googleの生成AIプラットフォーム Gemini アプリ や、AI映像制作ツール Flow に統合されています。

ユーザーはブラウザまたはモバイルアプリからアクセスし、テキストや画像を入力するだけで動画を生成できます。Flowではカメラワーク、構図、参照画像指定などの演出指示もGUI上で扱えるため、専門知識がなくても映像制作に近い体験が可能です。

【開発者・企業向け】

開発者や制作会社は、Google Cloud Vertex AI または Gemini API 経由でVeo 3.1をプログラムから呼び出せます。

APIモデルIDは「veo-3.1-generate-preview」で、テキストtoビデオ、画像toビデオ、トランジション生成、参照画像指定などのモードが提供されています。

動画生成ジョブはRESTまたはPython SDK経由で送信でき、バックエンドやワークフローに組み込む形で利用できます。

料金体系

  • Gemini / Flowプラン(一般利用) Google One の上位プランにあたる Google AI Ultra プラン に加入することで、Veo 3.1を利用可能です。価格は 月額249.99ドル(米国) と公表されており、フル機能版(音声付き動画生成など)が利用できます。

    ほかに Pro プラン(低価格・高速モデル中心)もあり、こちらでは軽量版の Veo 3.1 Fast が利用できます。FlowおよびGeminiアプリから直接課金・切り替えが可能です。

  • Vertex AI / Gemini API(開発者利用) API経由では、従量課金制(生成時間に応じて課金)を採用しています。参考値として、音声付き動画:1秒あたり約0.40ドル、音声なし動画:0.20ドル程度 との試算例があります(地域・利用形態によって変動)。

    企業向けの一部プランでは クレジット制 も採用され、例として「1クリップ=150クレジット」換算の報道もあります。Google AI Ultraプラン(12,500クレジット付属)では、おおよそ83本分の生成に相当します。

  • 価格更新と地域差 料金・無料トライアル枠・生成上限・対応国は随時更新されます。導入時には必ずGoogle Cloudの公式価格表を参照してください。


Veo 3.1の利用手順

以下は、映像を生成するまでの大まかな流れとポイントです。

  1. Google アカウントで Gemini アプリや Flow にアクセスし、対応する AI プラン(Pro または Ultra)に加入
  2. 動画生成機能を有効にした後、「動画」ボタンや「映像作成」などのメニューを選ぶ
  3. 映像にしたい内容を自然言語で入力(たとえば「森の中を歩く人物がつぶやく」など)
  4. 必要であればスタイル指定や参照画像の入力を追加
  5. 生成ボタンを押して動画を作成し、プレビューを確認
  6. 満足できなければプロンプトを調整して再生成
  7. 必要に応じて Flow などの編集ツールで細かな修正(オブジェクト除去・追加、シーン延長など)

このように、プログラム不要で映像制作できるような使い勝手を目指して設計されています。


ビジネスにおける活用例

実際に、動画生成技術を使っている先進例をもとに、ビジネスで応用できる想定活用方法をいくつか挙げます。

  • プロモーション動画作成 新商品紹介や広告素材として、短いストーリー風の動画を簡単に生成。撮影コストを抑えつつ視覚的訴求を高める。

  • SNSコンテンツ強化 8秒程度のショート動画を自動生成して、リール・ショート動画形式での配信素材に活用。

  • 企画段階のビジュアル化(プリビジュアライゼーション) 企画構想段階でアイデアを映像で可視化し、社内で共有しやすくする。映像をラフ素材として使って企画検討を加速する。

  • 販促アニメーションやキャラクター演出 製品やサービスのキャラクター紹介映像に、映像+セリフで表現を加える。微調整可能な編集機能が活きる。

なお、実際の導入例として、Googleは Flow という映像制作ツールを発表しており、直接 Veo モデルを使ってクリエイターツールとして映像生成を支援する構想を打ち出しています。


導入時の留意点

Veo 3.1 を実際に活用する際には、以下の点を確認しておくことが重要です。

  • 対応国・地域制限:現時点ではすべての国で利用可能になっているわけではなく、Gemini や Flow 経由で使える地域が限定される可能性があります。Googleの公式発表で対応地域を確認する必要があります。
  • コスト感の把握:秒あたり課金制やクレジット制によって、思ったよりコストがかかる場合があります。どれくらいの頻度・秒数で使うかシミュレーションをしておくとよいでしょう。
  • 著作権・権利処理:生成された映像に使われる素材表現や音声には「似ている」表現のリスクがあるため、公開用途には注意が必要です。
  • AI生成識別(透かし技術):Veoでは SynthID(透かし) が埋め込まれており、生成物にはその情報が埋め込まれる設計です。これは透明性を保つ目的ですが、透かしの可視性や除去可能性など、将来的な技術変化についても注意しておくべき点です。

まとめ

Veo 3.1は、テキストや画像から映像+音声を同時に生成できる次世代AI動画モデルとして注目されています。ユーザーが演出指示を出しやすい設計で、編集機能も強化されており、クリエイティブ素材の生成手法として大きな可能性を持っています。ただし、現在は短尺動画を中心とした制限があり、コストや利用可能地域などの制約もあります。

まずは、少ない秒数で試して生成品質やコスト感を確かめたうえで、Geminiアプリや Flow 経由で映像制作ワークフローに取り入れてみるのが現実的なステップです。公式サイトや Google の開発者向けドキュメントをチェックしながら、自社での活用可能性を探ってみてください。