【Wan2.5】音声同期対応で強化された画像から動画変換

Adbrand Team Adbrand Team

短尺動画の需要が増える一方で、撮影や編集の工数と外注コストがボトルネックになりがちです。Alibabaの「Wan 2.5」は、テキストや画像から最大10秒・1080p・24fpsの動画を生成し、音声を映像と同期して一括出力できます。クラウドAPIとWebの両方で提供され、既存ワークフローに組み込みやすい点も実務に適しています。

本記事では、Wan 2.5の概要、主要機能、比較、料金、使い方、活用シナリオ、導入時の確認事項を整理します。

目次

Wan 2.5のアップデートの要点

引用:Alibaba Cloud公式X

Wan 2.5はAlibaba Cloud「Model Studio」で提供される動画生成モデルのプレビュー版です。従来世代に比べ、動画の長さと解像度の強化に加え、音声のネイティブ生成とプロンプト解釈精度の向上が大きな進化点です。

一言でいえば、映像と音声を同時に作り切る設計になり、短い尺でも完結したショットを高品質に出力しやすくなりました。

  • 10秒までの生成と1080p・24fpsへの対応
  • 音声の自動生成または手持ち音声との同期
  • カメラ動作や構図などの指示を一度の生成で反映

主な機能と強み

ここでは、機能ごとに「できること」と「活かしどころ」を簡潔に示します。要点は尺と画質、音声同期、指示解釈、被写体の一貫性です。

テキスト/画像からの動画生成

最長10秒の尺と480p・720p・1080pの解像度を選べ、テキスト→動画と画像→動画の両方で24fps・MP4出力に対応します。

この組み合わせにより、短い尺でも導入カットや製品ショットなど、完結したメッセージを表現しやすくなります。

  • 尺の選択:5秒または10秒
  • 出力解像度:480p/720p/1080p
  • 出力形式:MP4(H.264)、フレームレート24fps

ひとことで言えば、短時間で伝え切る映像表現の自由度が上がる点が強みです。

映像と音声の同時生成

映像と同期した音声をネイティブに扱えます。自動ナレーションの付与に加えて、MP3やWAVを指定してリップシンク動画を生成できます。

別工程だった仮ナレーション作成や合成作業を省略でき、制作の往復が減ります。

  • 自動音声を付与して一度で映像と音を出力
  • 手持ち音声のURL指定で口形と同期
  • 画像→動画でも音声付き生成が可能

要するに、画と音を同じパスで仕上げられるため、試行回数と時間の削減に直結します。

カメラワークとプロンプトの解釈

カメラ移動や構図、視点指定の理解精度が高まり、監督メモのような指示で狙い通りのショットに近づけます。

プロンプトの型や語彙のガイドが公開されており、意図の伝達が安定します。

  • ショットサイズ、視点、レンズ、移動、構図の語彙が整備
  • ネガティブプロンプトで避けたい表現を抑制

結果として、演出や絵作りの再現性が上がることが実務上のメリットです。

画像から動画への変換での一貫性

顔の歪みやロゴ崩れなどの破綻を抑え、被写体の特徴が通しで保たれます。

人物や製品の見え方を維持する必要がある用途で効果を発揮します。

  • 画像→動画でも1080p・24fpsで安定出力
  • ID一貫性の強化で、連続するカットの整合性を確保

補足として、同アップデートで画像生成・編集も強化され、ポスター内テキストや図表、スタイルの統一など静止画側の表現力も向上しました。動画の前後工程を同一基盤で回せる点が運用に効きます。


世代別の仕様比較

複数の比較軸があるため、表で整理します。差分が直感的に把握できます。

項目Wan 2.5 PreviewWan 2.2 ProfessionalWan 2.1 Turbo/Plus
動画の長さ5秒/10秒5秒固定5秒固定
最大解像度1080p(480/720/1080選択)1080p(480/1080選択)720p(モデル差あり)
フレームレート24fps30fps30fps
音声生成自動ナレーション+手持ち音声同期非対応非対応
提供状態プレビュー/API優先提供中提供中

ひと目で、映像と音声の同時生成と10秒対応が2.5の決定的な違いだと分かります。


料金と提供形態

料金は従量課金で、秒単位の課金単価は解像度に比例して増えます。現時点で公式に数値が開示されているのは2.2世代のレートが中心で、480pはおおよそ0.02ドル毎秒、1080pはおおよそ0.10ドル毎秒が代表値です。

試算は公開中の単価で行い、2.5の正式料金が公開され次第置き換えるのが現実的です。無料枠が案内されている場合は、まずそこで検証しコスト感を把握しておくと運用設計がしやすくなります。


使い方の最短ルート(APIとWeb)

導入はAPIとWebの2通りが実用的です。ここでは手順の流れを文章で簡潔に説明します。

APIを使う場合は、Model StudioでAPIキーを取得し、利用するリージョンごとにエンドポイントが異なる点を確認します。テキストから動画を生成するリクエストは非同期実行が前提で、ヘッダーに非同期フラグを付けます。モデル名にwan2.5のプレビューを指定し、パラメータで解像度、長さ、音声の有無、ウォーターマークの有無などを設定します。ウォーターマークは右下に「Generated by AI」を表示する方式で、付与するかどうかはパラメータで制御できます。処理は非同期のため、タスクIDで状態を問い合わせ、完了後に結果を取得します。

サンプルコード

curl --location 'https://dashscope-intl.aliyuncs.com/api/v1/services/aigc/video-generation/video-synthesis' \
  -H 'X-DashScope-Async: enable' \
  -H "Authorization: Bearer $DASHSCOPE_API_KEY" \
  -H 'Content-Type: application/json' \
  -d '{
    "model": "wan2.5-t2v-preview",
    "input": {
      "prompt": "A cinematic dolly-in on a vintage subway platform. A street musician plays guitar. Commuters pass by. Slow right pan."
    },
    "parameters": {
      "size": "1920*1080",
      "duration": 10,
      "audio": true,
      "watermark": false
    }
  }'

Webから試す場合は、wan.video の生成画面でプロンプトや画像を入力し、尺や解像度、音声の有無を選択して生成します。生成完了後に動画ファイルをダウンロードし、必要に応じて社内の編集や配信フローに渡します。


ビジネス活用シナリオ

実際のX投稿から、Wan 2.5の表現力を確認できる事例をピックアップします。

  • ネイティブ音声対応!VEO3と並ぶ音声付き生成、1080p/10秒対応

    音声合成と映像生成を同時に扱えるため、ナレーション制作や口形調整の往復を減らせます。Veo 3系と同じく、短尺でも完成度の高いショットをスピーディーに出力できるのが魅力です。

  • パルクールから天候変化まで。Wan2.5が描くダイナミックな映像表現

    どの投稿も、Wan 2.5の圧倒的な表現力と自由度を実感できる内容ばかりです。ぜひリンク先で実際の動画や生成例をチェックして、その進化の速さを体験してください。


導入時の確認事項

ここでは、導入前に押さえておくべき技術と運用のポイントを一文で提示した上で要点をまとめます。仕様の前提を外さないことが安定運用の第一歩です。

  • リージョンとエンドポイント シンガポールや北京など、リージョン別にエンドポイントと認証が分かれます。環境単位で設定を分離します。

  • 非同期実行の設計 非同期API前提のため、タスクIDで状態確認と結果取得を行う設計にします。タイムアウトやリトライ方針も決めておきます。

  • 解像度とコストの最適化 単価は解像度に比例します。検証は480pや720pで行い、本番で必要な箇所に1080pを適用します。

  • ウォーターマークの方針 既定の透かし表示はパラメータで制御できます。社内基準や公開ポリシーに合わせて統一します。

  • SDK対応状況 プレビュー段階ではSDK未対応の場合があります。HTTP呼び出しを基本に、将来のSDK対応を見越して抽象化しておきます。

最初は小規模検証でコストと品質のあたりを取り、要件が固まり次第パラメータや解像度を段階的に引き上げる進め方が安全です。


まとめ

Wan 2.5は10秒・1080p・24fpsに対応し、映像と音声を同時に生成できる点が実務に効きます。APIは非同期実行とリージョン別エンドポイントが前提で、コストは解像度に比例します。料金は現状公開中の世代で試算し、2.5の正式価格が出次第置き換えるのが現実的です。まずはWebかAPIで検証用のプロンプトと画像を用意し、社内の配信フローに合わせて出力形式と画質を最適化していくと、導入効果を手堅く確認できます。